福井トシ子

福井トシ子 日本看護協会 会長

 

福井トシ子

日本看護協会 会長

 

あれは、確か在宅ケアの会議だったと思いますが、誰かが「指わっかテスト」を紹介した途端、役員たちがいっせいに、両手の親指と人さし指で輪っかをつくり、ふくらはぎの太い部分を囲む、という行動に出ました。いつもは細めの足がご自慢の役員が不安そうな顔になり、太めの大根足を気にしているものは、にっこり笑いあったという形勢逆転の瞬間。ちょっと衝撃的でした。

高齢者の虚弱な状態は、フレイル、サルコペニア、ロコモティブ症候群、低栄養などさまざまな呼び方がされています。市町村は健康寿命延伸を目指し、介護保険制度のなかで、保健師や栄養士、運動指導士らが「介護予防教室」を開催し、閉じこもりがちなお年寄りが気軽に集まって、健康相談や運動、食事のできる「憩いのサロン」などを提供していますが、まだまだ量と質の確保は厳しい現状です。その課題解決にWAVES Japanがプラットホームの役割を担い、専門性の高い多職種、関係団体、企業や自治体、市民をネットワーク化した、ダイナミックなポピュレーションアプローチに心から賛同いたします。

「食べる力」は、生きる目的や役割、そして生きがいを実感する社会的活動量に比例し、人と人との結びつきなしには生まれません。WAVES Japanが仕掛ける低栄養の予防活動が、住民相互の結びつきを強め、支え合い、住み慣れた場所で最後まで生活できる、そんな活動に発展することを期待しています。

日本看護協会は、予防や健康づくりの視点も強化して「あらゆる場」での看護を充実させていきたいと考えています。未来の健康を一緒につくって行きましょう。